表札から受けるそのご家庭のイメージ

表札とはまさにその家の顔だと言えると思います。
私は配達の仕事をしているのですが、数多くのお家をこれまでに拝見してきてそのように思うようになったのです。

築30年くらいの古い日本家屋には大体の場合はご高齢の方がお住まいになっています。
そのようなお家の表札のほとんどは木製で縦書きに筆文字でお名前が書かれたものです。

古いお家であればあるほど、表札の木も少しくすんでいい味わいが出ています。
一時期、建売りで一斉に住宅が販売された時代がありました。
50代後半から60代のシニア世代の方が 子育て真っ最中の頃に購入されたその時代の住宅の表札は、ポストに直接付けた表札や門灯に直接名前を書いた物が多いように思います。

その当時の流行りだったのか、表札のほとんどが横書きです。
お家の方ご自身がマジックペンで名前を書いたような表札をそのタイプの住宅ではよく見かけます。

少し若い40代までの世代の方がお住まいであろう感じの住宅ですと、表札はキレイな石製品のプレートに名前を彫刻したタイプの物が増えてきます。
私も同世代なのですが、バブル世代の人が住宅を購入しているので、表札に関してもこだわりを持ったデザイン性の高いものを選ぶ傾向にあったのではないでしょうか。

30代の若い世代の方が購入したような最近の新しい住宅では、表札はさらにデザイン性の高いものに変化しています。
表札というもの自体が存在せず、金属で名前を形作り、それを壁に貼り付けたようなものが多く見受けられます。
お家自体が洋風な作りなので、アルファベット文字で名前を書いた方が圧倒的に雰囲気に合うのです。
文字のデザインも多種多様で、家作りの楽しみがさらにアップするであろうと思われます。

表札を見るとそのご家庭の家族構成や年代がなんとなく想像できます。
時代と共にお家のデザインも変化し、それに合わせてそのお家の顔である表札も変化しているのです。

これからまたどんな変化をしていくのかとても楽しみです。